ブロックチェーンができるまで
暗号技術を知らなくても投資は...
ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨(暗号資産)を支えているのがブロックチェーンと呼ばれている「暗号技術」です。この暗号技術のすべてを理解しきれている人は極僅かだと思います。
しかし、技術的なことは知らないけれど「保有している」あるいは「保有してみたい」という方は一定数いらっしゃいます。
野村総合研究所(NRI)が行ったアンケート調査結果によると、
「暗号資産を購入した主な動機は何か?」に対する購入経験者の回答の1位は、「利益や損失を伴うギャンブルとして」(38%)、2位は「投資ポートフォリオの一部として」(30%)だった(複数回答)。
保有者にとって、ブロックチェーンの仕組みが何たるやということは二の次なのかもしれません。しかし、この暗号技術であるブロックチェーンが金融、医療、教育、エネルギーなど、様々な分野で革新的な応用が可能であり、実際に利用されていることは知っておいても損はありません。
そこで、このページでは緩やかに、やさしくビットコインやブロックチェーンのお話を進めていきます。
台帳と電子署名
ビットコインやブロックチェーンを少しの間だけ横に置いておき、より現実的なところからスタートしましょう。
たとえば、あなたとあなたの友達数人は頻繁に旅行や食事を共にする仲だとします。そして、毎回現金のやりとりがあるとすれば、それに不便さを感じるかもしれません。
そこで共同の台帳を作って、支払いを記録することにします。
この台帳は、Webサイトのようなもので、友人みんなに公開されたものになります。みんなで確認した後、新しい記録を追加できます。そして、月末にこの台帳で取引のリストを確認・計算して支払いを行います。
もし、受け取った額よりも多く使ったら、その分のお金をその場に出して、反対の場合はその場からお金をもらいます。
このシステムのルールは、大体以下の感じになります。
- 誰でも新たな記録を加えられて
- 毎月の末にみんなで集まって現金で会計する
このような公開台帳を作ると起こる問題は、誰でも記録を加えられるという点です。例えば、AさんがBさんの同意無しに「BさんがAさんに100ドル払う」と書くのをどう止めたら良いでしょう。どうしたらすべての取引が正しいという信頼が得られるようになるでしょう。
そこで登場するのが電子署名という「暗合技術」で、このページの本筋です。
結局ビットコインってどういうしくみなの?
タイトルは、動画のタイトルです。
ブロックチェーンを支えている「暗号技術」について、東京大学の学生有志団体が翻訳・再編集した動画をご紹介します。内容は、ビットコインのしくみを作る過程を辿った分かりやすい動画です。
おそらく、ブロックチェーンを説明したYoutube動画の中では日本一分かりやすいと思います。
要点のまとめ
ポイント
- ブロックチェーンは、ネットワーク上に分散された多数のコンピュータ(ノード)によって構成されます
- ノードは、ブロックと呼ばれるデータの塊を生成し、暗号化してハッシュ値という識別番号を付けます
- ハッシュ値は、前のブロックのハッシュ値に基づいて計算されます。これにより、ブロックは連鎖的につながります
- ノードは、自分が生成したブロックを他のノードに送信します
- 他のノードは、ブロックの内容とハッシュ値を検証します
- ノードの過半数がブロックを正しいと認めた場合、そのブロックは承認されます
- 承認されたブロックは、全てのノードに共有されます。
このようにして、ブロックチェーンは更新されていきます。ブロックチェーンに記録されたデータは、改ざんや削除ができません。
ブロックチェーンの課題
ブロックチェーンの仕組みは、信頼性や透明性が高く、セキュリティも強固です。しかし、課題や限界があります。例えば、
課題
- 大量の計算能力や電力消費~環境やコストに影響します
- スケーラビリティやパフォーマンスの問題~トランザクションの処理速度や容量が限られています
- 法律や規制との整合性~国や地域によって異なるルールや基準があります
これらの課題や限界を克服するためには、ブロックチェーンの技術的な改良や社会的な合意が必要です。ブロックチェーンはまだ発展途上の技術ですが、将来的には私たちの生活を大きく変える可能性があります。
参考:SHA256(シャニゴロ)とは
動画にもありましたように、ブロックチェーンが新しく生成されたり更新される場合には、ハッシュ関数が大活躍します。電子署名法の施行規制で推奨されているのがSHA256(通称:シャニゴロ)です。
SHA256は、2の256乗通りの署名があり、この数字がどれだけバカバカしい程大きいかということがこの動画で理解されるかと思います。